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破天荒アラフォーいざ参る!【不死川実弥夢】

第3章 守りたいもの…




「もう、聞かなくていい」

実弥に手を握られても、斗和の震えは止まらなかった。

「……無理」

「斗和」

「無理だよ……」

声が幼くなる。

「だってあたしが殺したようなもんなんだよ……」

「違ェ」

「違わない!」

斗和が突然、叫んだ。

「私が弱かったから! 師匠はあたしを庇って……! あたしがもっと強ければ、あたしがもっと早く――!」

息が詰まる。

「なのに……あたしは生きてる……!」

涙が次々と溢れた。

「師匠は死んだのに、私だけ……!」

酒瓶を探すように手を伸ばす。

「飲まなきゃ……」

「やめろ」

「飲めば……師匠みたいに……鬼を傷つけられる……。だったら、もっと飲まなきゃ……」

「斗和!」

「そうすれば今度は救える! 誰も死なせない! 誰も――!」

完全に冷静さを失っていた。

その瞬間。

実弥は反射的に斗和の身体を抱きしめた。

「……っ」

斗和の身体が強張る。

「もういい」

「……離して」

「嫌だァ」

「離してよ……!」

「嫌だ」

実弥の腕に力がこもる。

「テメェが落ち着くまで離さねェ」

「……っ、う……」

斗和の抵抗が弱くなる。

「師匠はテメェに生きろって言ったんだろ」

「……うん……」

「だったら生きろ。毒なんざ飲まなくてもいい。鬼を斬れなくてもいい」

「でも……」

「でもじゃねェ」

実弥は背中をゆっくり撫でる。

「今は何も考えんな」

斗和の呼吸が少しずつ落ち着いていく。

「……怖い」

「……あァ」

「また、目の前で誰かが死ぬのが怖い……」

「分かる」

「あたし……もう、あんなの嫌だ……」

「……分かるから」

斗和は実弥の胸元を掴んだ。

そして、子供のように泣きじゃくった。

実弥は何も言わず、ただ抱きしめ続けた。

今だけは、斗和が誰かを守る必要なんてない。

――自分が守ればいい。

そう思った。
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