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破天荒アラフォーいざ参る!【不死川実弥夢】

第1章 始まり



夜の山道。

鬼を探していた不死川実弥は、木々の間から漂ってくる妙な匂いに眉をひそめた。

「……酒?」

こんな場所で酒を飲んでいる人間がいる。

警戒しながら進んだ先にいたのは、徳利を片手にした女だった。

「……ん?」

女――鋼鐵塚斗和が振り返る。

「鬼殺隊か」

「あァ。テメェは?」

「私?アンタよりちょっと先輩」

「……先輩?」

実弥は斗和の姿をじろりと見る。

酒臭い。
隙だらけ。
どう見ても強そうには見えない。

「こんなところで酒飲んでんじゃねェよ。鬼に殺されてェのかァ?」

「まぁまぁ。そう怒らないの」

その瞬間――

背後から鬼が飛び出した。

「喰らえェ!」

実弥が刀を抜く。

しかし。

「酒の呼吸――壱ノ型・一献風酔」

斗和の身体がふらりと揺れた。

次の瞬間、鬼の頸が宙を舞う。

「……は?」

実弥が目を見開く。

斗和は何事もなかったように刀を納めた。

「はい、おしまい」

「……テメェ」

実弥は斗和を睨む。

「何者だァ?」

「ただの甲の隊士だよ」

「……甲?」

明らかにおかしい。

今の一太刀は、そこらの隊士にできるものではない。

斗和は徳利を傾けながら笑った。

「まあ、細かいことは気にしない気にしない」

「気になるんだよォ!」

「怖い顔だねぇ」

「誰のせいだァ!」

こうして二人は出会った。

この時の実弥はまだ知らない。

目の前の酒好きな女が、鬼殺隊の中でもごく一部しか知らない――**“隠し柱”**であることを。

そして斗和もまた、知っていた。

――目の前にいる少年が、やがて風柱になることを。

「不死川実弥、だっけ?」

「あァ?」

「よろしくね、実弥」

「……馴れ馴れしいんだよォ」

そう言いながらも、実弥はなぜか斗和の姿を目で追っていた。
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