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破天荒アラフォーいざ参る!【不死川実弥夢】

第2章 誰も知らない秘密




数日後、斗和と実弥は鬼の討伐任務に赴いていた。

「――いたぞォ!」

森の奥から現れた三体の鬼へ、二人は同時に斬り込む。

斗和は鬼の爪をかわし、刀を振り抜いた。

「酒の呼吸――壱ノ型!」

腕を斬り落とされた鬼が叫ぶ。しかし、再生しようとした腕が異様に遅い。

「な、何だ……これ……!」

鬼の身体が苦しげに震える。

斗和は目を細めた。

(……効いてる)

斗和の血には、長年飲み続けた藤の花の毒が染みついている。後天的に変質したその血を浴びた鬼は、身体を蝕まれ、再生能力まで鈍らせてしまう。

「テメェ……普通の人間じゃねぇな!」

「さあね」

斗和は笑い、わざと浅く腕を傷つけた。

飛び散った血が鬼の顔へ付着した瞬間――

「ぐ、あああああッ!」

鬼が絶叫した。

全身が痙攣し、皮膚に紫色の斑点が浮かぶ。再生しかけた傷口まで崩れ始めた。

斗和は一瞬も迷わず刀を振り下ろす。

「――終わり」

鬼の首が落ち、灰となって消えていく。

静寂の中、実弥は斗和の腕から流れる血を見つめた。

「……おい」

「ん?」

「今の、何だァ?」

「何って?」

「テメェの血だァ」

斗和の笑顔が一瞬だけ固まる。

「……ちょっと珍しい体質なのよ」

「珍しい体質だァ?」

「昔から酒飲みだったからね」

「それが何の関係あんだァ」

「さあ?」

斗和は笑って誤魔化し、傷口を隠す。

実弥は納得していないようだったが、それ以上は追及しなかった。

「……とにかく、その傷を手当てしろォ」

「はいはい」

背を向けた斗和の表情から笑みが消える。

藤の毒を酒で薄め、毎日飲み続けたことで得た、この異常な血。

その秘密を、斗和は誰にも話していない。

「……まだ、言えない」

小さく呟く斗和。

その背中を見つめながら、実弥は眉を寄せた。

「……何隠してやがるんだァ、斗和」
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