好きだと気づくには、遅すぎた 【ヒロアカ 轟vs爆豪】
第3章 奪ってから知った 【爆豪勝己】
「……本当に悪いことをした……痛かったろ。すまねぇ」
「……ぐすっ、……」
爆豪は掠れた低い声で囁くと、涙で濡れた(名前)の頬をそっと包み込むようにそっと手を添えた。
先ほどまでの荒々しさは消え去り、大切に彼女の顔を包み込む。
「責任は……俺がちゃんと取る」
「え……っ、責任……って——」
困惑に目を見開く(名前)の唇に、爆豪はそのまま静かに自身の唇を重ねた。
「……んッ!?」
(名前)は身体を跳ねさせて固まった。
轟からは唇を奪われたことなんて一度もなかった。
彼はいつも抜いた後に頭を撫でて去っていくだけで、口づけどころか身体に触れてすらくれなかったのだ。
(私の『初めてのキス』まで……爆豪くんに……っ!?)
頭の中でパニックが渦巻く。
(嫌だ……っ、私が好きなのは……轟君なのに……っ!)
心の中で轟の名を叫び、拒もうと胸を押そうとする。
しかし、キスの経験がない彼女にとって、爆豪の巧みな口づけはあまりにも刺激が強すぎた。
「んっ……ふ……ッ…」
爆豪は舌先で湿った唇の隙間をなぞり、ゆっくりとすき間をこじ開けて侵入してくる。
「ジュチュ……、ん、ジュル……っ」
「んぁ……ッ!? ん、んぐッ……!」
舌と舌が絡み合い、甘い唾液がじわじわと口内に広がる。
熱い舌で粘膜を舐め擦られるたび脳の芯がじんじんと痺れ、身体からすっと力が抜けていく。
「ふ……っ、お前……キスも初めてかよ……ッ」
「んあ……っ、や、め……轟、君……っ」
「っあ? 今……誰の名前呼んだ……?」
無意識に漏れ出た轟の名前に、爆豪の眉がピクリと跳ねる。
だが彼は引き下がるどころか、嫉妬を燃やしてさらに深く、逃がさないように頭の後ろを固定して濃厚に貪り喰らった。
「んじゅっ……ッ、ジュプ、ジュルル……!」
「んッ——!?ふぁ、……ッ、んぐぅ……っ!」
「忘れさせてやるよ……ッ、半分野郎のことなんか、綺麗さっぱりなぁ……っ!」
甘く粘り気のある水音が静かな部屋に響き渡る。
拒みたいはずなのに、舌を転がされ吸い上げられる快楽に翻弄され、(名前)の思考は次第に甘く溶けていく。
轟への切ない想いを胸に抱えながらも、目の前の爆豪が与える熱い熱量に、彼女はなす術もなく流されていくのだった。