第33章 指輪の存在
「……嬉しいよ。同じ呪いをかけてもらえるなんて。」
「えええ!?」
「さっきの指輪に口づけたとき、永遠に僕だけを愛し続けるように呪っておいた。」
「ふふっ。やばい。似たもの夫婦になってきてない?」
ようやく、ふたりの指にお揃いの指輪が収まった。
ロマンチックとは無縁のふざけた指輪の交換が、なんだか私たちらしくて余計に忘れられない大切な思い出になった気がした。
零は指輪を確かめるように見つめたあと、私の左手を取った。
そして、自分の左手を重ね、指を絡めた。
二つの指輪がカチッと音を立てた。
ただの金属音なのに、その音がなぜか、幸せの音のように聴こえて、急に涙がこぼれた。
そうだった……零はロマンチストで、こういう触れ合い方をしてくれる。
いつも私が照れてふざけるから、それに合わせてくれているだけで、愛を伝えるときは真剣に、どこまでも深い。
零の目を見ると、やっぱり優しく微笑んでくれていた。
愛おしいものを包み込むように私を抱き寄せ、耳元で囁く。
「たまらないな。愛してるよ、」
温かな体温と、大好きな零の匂い。
幸せがとめどなく溢れ出して、ポロポロと涙がこぼれ落ちる。
「れい…っ、零……、ずっと…傍にいてほしい…」
「ああ。やっとか…長かったな。
ずっといるよ。の傍に、居続ける」
「やっと…?」
「そうだろ?いつも、僕が『傍にいて』と頼むばかりで、は自分から僕に対して傍にいてほしいとは願ってない。」
言われてみるとたしかに…。
零にそんなことを願うことがおこがましいような気がして、口に出したことがなかったかも知れない。