第33章 指輪の存在
そうだった…………
零は、彼自身の安全を、嘘でも約束してはくれない。
それでも、生きている限り全力で愛したいと言ってくれる。
そういう人だった。
「…零……」
「うん」
「ほんとに……もう…、相変わらずだね。ふふふっ。」
「重い?」
「ううん。零がこういう人だってこと忘れてた。
前に私が辛かったときも、サイコパスみたいな歪んだ重い愛を押し付けてきて、その過激さにドン引きして笑っちゃったんだよね。」
懐かしくてくすくすと笑い、少し気持ちが晴れた気がした。
「笑うなよ。笑わせようと思って言ってるわけじゃない。」
「え? …なんて?」
「いいから早く。僕たちの重りをつけよう。……、手を出して。」
そう言って、零はテーブルの上のケースを手に取り、再び指輪を取り出す。
「待って?表現が不穏だから。"重り"はやばいよ!指輪でしょ?もうっ!」
くすくすと笑いながらも、そっと左手を差し出した。
零は、私の薬指に指輪を通した。
少しずつ、ゆっくりと。
そして、指輪がきちんと収まると、指輪にそっと口づけた。
「……待たせたな」
「…さっきの一言で、悪魔に呪いでもかけられたかのような気分になってる。」
「はははっ。この重りはただの見せかけで、すでに結婚という契約は結んでるんだからとっくに手遅れだ。」
「ふふっ。じゃあ、私も零に悪魔の呪いをかけてあげるよ。手を出して?」
ケースからもう一つの指輪を取り出した。
「くくっ。どんな呪いをかけてもらえるんだ?魔女のか。最高だな。早くかけて?」
零も左手を出してくれて、ゆっくりと薬指に通し、同じようにそっと口づけた。
「一生…ううん、零の魂が、何度生まれ変わっても私のことを見つけて、永遠に私だけを愛し続ける呪いをかけておいたよ。」