第33章 指輪の存在
「これから先も、と一緒にいるつもりで結婚した。
指輪だって、ふたりで着けて、が僕にくれたこの先の七十年を一緒に過ごしたいと思っていた。」
零は、私の手をそっと持ち上げた。
「が一人で……
過去の幸せに縋りながら生きてほしかったわけじゃない。」
「……っ、ごめん」
「謝らなくていい。、心配させてばかりですまない。」
零は、私の手の甲に唇を寄せた。
「たぶん、これからも心配させる。」
申し訳なさそうな笑顔でそう言った。
「そうだね。私の覚悟がまだまだ足りないみたい。」
私も、申し訳なさそうな笑顔で答えた。
「覚悟なんてしなくていい。」
「ふふっ。毎回泣いてメンタルやられちゃうじゃん。」
「ああ。毎回ぐちゃぐちゃになって泣いて。
僕のために、僕を想い続けて。
僕の身を案じて、僕とのことを思い出し続けて。
そして会ったときに、どれだけ苦しかったのか教えてほしい。無理して笑わないでくれ。
必ず、のもとに帰るから。
どんな形でも。
、僕は……君に、僕を忘れていいと言ってあげられない。
たとえ自分の身に何があっても、僕以外の人を見つけて幸せになっていいと絶対に言いたくない。
誰にも譲りたくない。君の心を手放したくない。
今世だけじゃなく、来世もその次も、永遠に君の心が欲しい。
と離れる覚悟がないのは、僕も同じだ……」