第31章 取り調べ(1)
零はあの日、『バカ零。もう、赤井さんのとこに行っちゃうよ?』と話しかけた後に反応した。
あの声かけが良かったのか悪かったのか、目を覚ましてくれたものの、自宅に戻ると再びその件を追及されることになった。
ぜったい追及するとは思ったけどね?
すぐ根掘り葉掘りきくんだから。
ほんとにもう!
零にコーヒーを淹れて、自分のはカモミールティーを淹れた。
赤井さんの話をしても、心が穏やかであり続けられるようにと。
無駄な抵抗だとは思うけど。
「ふぅ…、ハーブティーあんまり好きじゃなかった。」
「……じゃあ何で淹れた?」
「ん?心を落ち着かせようと思って。
これから私は、現役エリート警察官である降谷零の取り調べを受けるんだね。
怖いな、罪状何になるんだろ。」
「は!?罪状がつくことが確定するようなことなのか?!
まさかとは思うが夫が意識不明な状態のときに…───」
「ないよ!!二人で家にいるのが久しぶりで、緊張からふざけちゃっただけ。ごめんなさい。」
「やめろ。この手の冗談は受け入れられない。真面目に話せ。このあいだみたいに"ギュッ"とか擬音で誤魔化そうとするなよ。」
「うっ…よく覚えていらっしゃる……
ごめんね、変なこと言って。」
擬音で言うなら今回は“ちゅ”とか“じゅっ”とか?
無理だ…今回のは擬音でもぜったい言えない。
あれはもうなかったことにして忘れよう。
記憶から消えろ……!!
「で。あれはどういう意味だ。僕が寝ている間にまた言い寄られたな?」
「ううん、言い寄られてない。予告だけ。」
「は?予告?」
「零が三ヶ月たっても目覚めなかったら、もうあきらめさせるからそのつもりでいてって。それだけだった。」
「結婚してることもわかっていながら、人の妻に手を出そうとするとは驚いたよ。」
「ほんとそうだよ。私が元気なかったから赤井さんなりに励まそうとしたのかなって思う。慌てたおかげで気は紛れたけどね。」
「なるほどな。は、僕がもう目を覚まさないと、あきらめていたな?」
「えぇ!?いや、そんなことない!あきらめてないよ信じてた!!」