第30章 待ち人
は……?
ちょっと状況が理解できない。
はっきりと断ったのに、むしろ火がついた?!
しかもなに?情報料とるの?言ってよ!!こんなかたちでのお支払いなら情報なくても我慢したのにっ!
零が目を覚まさないからと思って…!
もういや!ひどい!!忘れよ!!!
*
もう何度、この病院へ足を運んだかわからない。
頻繁に様子を見に来ているけれど、何も変わっていない。
怪我はちゃんと治っているということくらい。
こんなに長く眠ったままになっている人が、目を覚ます割合はどのくらいなんだろう…。
もし目を覚ましてくれたとしても、麻痺で動けないとか、喋れない可能性もあるのかな?
色んな不安が、頭をよぎった。
それでも、やっぱり…──
目を、覚ましてほしい。
廊下で風見さんに会い、軽く挨拶を交わした。
よほど私の顔色が悪かったのか、人並み外れた強い人だから、きっと目を覚ますと言って励ましてくれた。
事故にあったのが、零と入籍した後でよかった………
付き合っているだけなら、きっと事故の連絡がくることはなかったと思う。
私は何も知らずに、帰らない零をひたすら待つしかなかっただろうから…──
【待ち人】