第30章 待ち人
そんな話をしているうちに、自宅のマンション下に着いた。
だめだ、ここでちゃんとはっきりさせないと…!
「赤井さんっ!!」
「なんだ?」
「私、彼以外は考えていません。
彼のいくところまで、ずっと追いかけ続けるつもりです。なので、ほかの人に心変わりすることは絶対にないです…!」
「しぶといな。お互い。」
そう言ってフッと笑うと、腕をぐいっと引っ張られた。
突然のことでうまくバランスが取れず、赤井さんの胸に飛び込んでしまった。
頭の後ろに手がまわってきて、首を左へ傾けられると赤井さんの頭が目の前にあった。
ジリっと首の右側が痛み、赤井さんがゆっくりと首元から離れ、至近距離で目が合う。
一連の動作がはやすぎて、何が起こったのか理解が追いつかない。
頭を掴まれたまま、赤井さんの顔が近付く。
やっと、まずいと気付いた。
「……だめ…っ」
咄嗟に声に出した。
赤井さんは止まって
「情報料だ。」
そう言い終わると同時に唇を塞がれてた。
逃げる舌を簡単に絡め取られ、赤井さんの舌が歯列をなぞる。
「んっ……!」
頭を固定されていて、離れられない。
動かせる範囲でむりやり首を振って嫌がると、ようやく離してくれた。
「はぁっ…はぁ…、なん…で……」
「……さぁな。君の言葉で、挑戦したくなったのかもな。」
赤井さんはフッと笑い、
「またな」と言うと来た道を戻っていった。