第30章 待ち人
* * *
仕事帰り、ぼんやりしながら歩いていると、ポアロの前にコナンくんがいた。
「さん…?
大丈夫…なはず、ないよね…」
「コナンくん……、知ってるんだね。
さすがの情報収集力に関心したよ。
私は大丈夫。
心配させてごめんね。」
子どもに…いや、高校生に心配させるわけにはいかず、気丈に振舞った。
「まだ目が覚めてないんだよね?」
「そうなの。ショートスリーパーなのにどうしたんだろうね。今までの分を寝溜めでもしてるのかな?」
無理をしてでも冗談を言った。
泣いてしまいそうだったから。
「しばらく安室さんを見なかったから梓さんに聞いたら、長期で休むってメールが来たらしいんだ。
同じタイミングで赤井さんが怪我をしてて、もしかしてと思って赤井さんに聞いたら、同じ事件を追っていて…。」
零はずっと意識がない。
メールを送ったのは風見さんかな。
「そうだったんだ…。
私は何があったのかわからなくて、
赤井さんの怪我は…?彼も酷いの?」
「ううん。赤井さんの方は入院するほどじゃなかったから、もう治ってきてると思うよ」
「そう…、それならよかった。何があったのか、知ってる?」
「僕は事件については聞いているけど…、さんは安室さんの怪我の原因が知りたいんだよね?」
「うん、そうなの。事件のことはよく分からないから…。」
「赤井さんなら知ってると思うよ。」
「あ…、そっか。今度会ったときに聞いてみるね。」
以前、零からは赤井さんの連絡先を書いたメモは見つけ次第捨てろと言われた。
零が目を覚まさないからって、その約束を反故にするのは気が引けて、連絡はしないでおこうと思った。
そのとき、コナンくんがどこかに電話をかけ、「ちょっと来て!」と言って、私の手を引いて走り出した。
待って!!
すぐ息切れしてしんどい…!!