第30章 待ち人
病院の受付に行くと、スーツの男性。
お互い、手短に挨拶を交わして零の容体を確認した。
任務中の事故とは何があったのか、やっぱり教えてもらえなかった。
さすが秘密のおおい公安だな…と思って、追及するのは早々にあきらめた。
治療室のガラス越しに、零を見ると、たくさんの管とモニターに繋がれ、酸素マスクをつけて眠っている。
私は何をすることもできず、
零を見ながらただ祈るしかなかった……
*
数日後に、零は集中治療室から一般へ移されたが、眠ったままだった。
このときはまだ、怪我さえよくなれば目を覚ますと思っていた。
だけど、外傷は少しずつ治ってきているのに、何週間経っても、零は目を覚まさなかった。
このまま目を覚まさないのではと、絶望しかけていた。
「零…… もう、起きないの?」
「零が生きていてくれて嬉しいのに
これじゃ……零の傍を離れないように、
追いかけることもできないよ。
どうすれば、零といられる?」