第30章 待ち人
インテリアショップで一緒に買い物をした日は、午後から仕事があると言って、そのまま零は帰ってこなかった。
連絡なく返ってこない日はわりとよくあることだった。
忙しい中、少しでも長く私との時間を作ってくれる零は本当に思いやりがある。
イケメンなのに傲慢にならずこんなに優しいってすっごいことだよ?
翌日、購入したマットレスやソファが届き、部屋に設置してもらった。
ソファは座り心地が良くなってすごく満足。
新しいソファに広々と寝ころび独り言を零した。
「今日は帰ってくるかな…。」
*
数日経って、結婚指輪が用意できたとお店から連絡が入った。
そのときにふと、婚約指輪を買ったあとも受け取る前に零が何日も帰って来ず、怪我をしていたことを思いだす。
「ゆ…指輪の呪い…?」
いや、違う違う。
勝手に関連付けるのはやめよう。
たまたま忙しいタイミングと重なっただけだから。
指輪は仕事帰りに取りに行くことにして、零の身を案じた。
お願い…無事に帰ってきて……
指輪を受け取った日の夜遅く、知らない番号から電話がかかってきた。
放置しようか迷ったけど、零が帰ってきていないことが不安で出てみることにした。
「はい…」
『さん…いえ、降谷さんの奥様でお間違いないですか?』
「え…、はい、そうです」
この人、降谷さんって言った!?
零のこと知ってる人?私の旧姓も知ってるし結婚したことも知ってる!
咄嗟にYESって答えちゃったけど、答えてよかったの!?
『警視庁の風見です』
「警視庁…?の、かざみさん?えっと…すみません、存じ上げておらず…」
『……降谷さんの部下です』
「えっ!すみません、失礼いたしました。いつも主人がお世話になっております」
慌てて挨拶した。
ちょっと"公安"って言って!?
"警視庁"に全然ピンとこなかった!!
零は警察庁の所属なんでしょ!?