第29章 お見舞い
*
「寝すぎだよー、零」
「早く起きてよ……」
零の手をギュッと握り、自分の頬にあてた。
ちゃんと、温かい。
「零、愛してるよ」
「あなたの傍を離れないから、
零も、私の傍に、ずっといて……」
零からは、何の言葉も返ってはこない。
「零っ…待ちきれないよ……」
涙が頬を伝い、零の手が濡れた。
「こんな形で、二人で歳をとりたいわけじゃないからね?」
「桜並木の散歩できないじゃん……」
「寝てたら縁側付き一軒家に住めないよ」
「バカ零。もう、赤井さんのとこに行っちゃうよ?」
「……だ…れが、バカ…だ」
「!!?」
「れい……?」
よく見ると零の目があいていた。
自分の目が涙が溢れていたせいで、ぼやけて見えていなかった。
いつから目をあけていたの?
「みず……を」
体を起こすのを手伝って、水を飲ませた。
「……はぁ…っ」
「零……っ、本当に、目を覚ましたの?夢じゃないよね…?」