第27章 遡る ※
は、フルーツと一口大の小さなおにぎりをほんの少量だが食べてくれた。
「少し顔色が良くなったな。」
「うん、つわりに加えて寝不足も酷かったからね…。」
「…、仕事のことなんだが……」
「うん…」
「嫌かも知れないが、辞め……いや…、つわりが落ち着くまでは、仕事を休めないか?
睡眠もだが、食事もほとんど取れていないんだろ?
体重もかなり落ちてる。
これ以上減るのは危険だ。
いくら何でも、この状態で仕事をするなんて見ていられない…。
今朝は、子どもを大事にしてほしいと伝えたが…、本当はが僕にとって一番の不安なんだ。
“子どものため”と言えば、が休んでくれると思った。
僕は…を失うことだけは耐えられない。
だから、が辛いなら子どもは…………」
続きを言えなかった。
も、続きをきかなかった。
言えないことを、察してくれたんだろう。
「うん…、わかった。しばらく仕事は休む。在宅でもできるから、出社日を減らすとかで会社に相談してみるね。」
「悪い…にばかり負担をかけて。」
「ううん…零のせいじゃない。謝らないで…。私が勝手に……つわりでまともに働けない自分が、情け無いって思ってしまって、自分で、追い詰めてるだけだから…。」
分かってるよ。
責任感がをさらに苦しめてることくらい。
泣かないでくれ。
もっと、君は自由でいていいんだ……
僕はどんなでも、愛し続けてしまう自信があるから。
現に、君は最初に出会ったときのお嬢様な印象とは全然違い、何かとふざけてばかりなのに、それでも君にひたすらのめり込んでしまっているだろ。
僕が求ているのは、…君の存在自体だ。