第27章 遡る ※
それからも毎日、は酷い吐き気でトイレにかけこみ、食べることも寝ることもできないまま仕事に行く日を繰り返した。
は責任感が強く、止めてもきこうとしないことがあるが、今回がまさにそれだった。
「…、頼むから仕事は休んでくれ。」
これまでより強い口調でに伝えた。
「え?でも、朝はけっこう気持ち悪さも治ってて……」
「何日もほとんど寝てないだろ。」
「あ…2、3時間くらいは寝れた……」
「はぁ…、。どう言えば僕の心配が伝わる?
お腹に子どもがいるんだ。十分な休息も栄養も取らないまま働かないでくれ…。
頼むから……僕たちの子どもを大事にして欲しい。」
ごめん、……
本当はこんな言い方したくないんだ。
には負担をかけているから、ひたすら甘やかしてあげたいのに、君が甘えようともしてくれない。
の責任感が、今は仕事に対して向いている。
その強い責任感を利用して、お腹の子に責任感を持つように仕向けた。
『僕たちの子どもを大事にして欲しい。』なんて、に対してそこまで思っていない。
ただ、には自分を大事にして欲しいだけなんだ。
でも、自分を大事にしてと言っても、は限界まで耐えようとするんだろ…。
今きっとは、お腹の子を大事にできていなかった自分を責めているんだろう。
そんな表情をしている。