第27章 遡る ※
自宅へ着いて、やっとが口をひらいてくれた。
「ど…どうしよう。」
……不安、だったのか。
「大丈夫、どうもしなくていい。
安静にしてて。気持ち悪い?」
「いまは平気。びっくりして……」
「まだしばらくつわりが続くみたいだから、食べやすそうなもの買ってくるよ。はベッドで横になってて。」
「うん…。ありがとう。」
何でがお礼を言うんだよ。
それはこっちのセリフだろ。
「僕の方こそ、ありがとう。」
不安なのか、やっと妊娠を実感したのか、が泣きそうになり、嬉しくて抱きしめた。
「すごく嬉しい……。こんなに早く子どもができて、は不安かも知れないけど、僕は嬉しくてたまらない。
何でも僕に頼って。は自分の体調とお腹の子どものことだけ考えていて。」
やっと、嬉しい気持ちをに伝えられた。
「ありがとう。私もいまは不安が強いけど、零との子どもができたなんて、すごく嬉しい…。」
良かった…、後悔していたわけじゃないんだな。
「、頑張りすぎるなよ?」
「分かった。」
……いまいち信用できないな。
のお腹に手を当てた。
まだ膨らみもなく細い。
それでもここに、と僕の子どもが宿っている。
幸せで…たまらない。
つい顔が綻び、「楽しみだな」と口から出た。