第27章 遡る ※
の妊娠が発覚したあの日、は寝起きの体調が悪そうだった。
「零、仕事いく?」
「あぁ。もう少ししたら出るよ。
まだ眠いか?悪いな…また朝早くに起こしたから。」
「ん…大丈夫、起きる。」
見送ろうとしてそう言いながらも、身体が怠いのかベッドから起き上がれずにいる。
「体調悪そうだな。熱でもあるのか?」
「え。それは困る。零にうつるじゃん…。ごめん、今更だけどちょっと離れてて。」
そう言って、また僕のことを心配していた。
が体温計を測ると平熱より若干高い。
は、「なんて微妙な体温…」と呟いた。
「これから上がるかも知れないから寝ておいた方がいい。何か食べられそうか?」
「ごめん、今は食べられなさそう。私のことは気にしないで、仕事行く準備してね。」
風邪なのか何なのか心配しつつも、仕事があるため家を出た。
仕事の合間に、へメッセージを送ったが、既読にならない。
寝てるだけだといいが……
大丈夫なのか?
15時ごろになり、ようやくからの返信。
『ごめんね、今起きた。
熱はないけど調子が悪くて、変な風邪移すといけないから、治るまで透さんの部屋に泊まってきてくれないかな?』
今、起きた……?
あれから更に7時間寝てたのか。
には普段、だらだらと寝続ける習慣はない。
疲れて帰ってきてもソファで横になることもほとんどなく、いつもきちんと座っている。
そんなが、横になり続けないと辛いほどなら相当だろう。
それなのに……
何でまた僕を気遣おうとするんだ。
『僕の心配はいい』をこれまで何十回と言ってきただろ。
体調が悪い妻の看病も、僕にはさせてもらえないのか?