• 小
  • 中
  • 大
  • テキストサイズ

ずっと前から (降谷零/R18)

第25章 幸せに浸かる


何度か内診にくる医師は
「順調に進んでるね。これなら今日中に産まれるんじゃないかな。それにしても今日は産まれる子がおおいな〜。」と笑っていた。

喋り方の呑気さに若干イラッとしたが、
は医師のその陽気さに少し気が抜けたようだった。


痛みはどんどん強くなっているようで、は苦痛の声を出して苦しんだ。

もう、見ていられないほどだった。



からは前もって“産むときは部屋から出てて!”としつこく言われていたが、とてもじゃないがこのまま放っておけるはずがない。

の意識が朦朧としていることに加えて、看護師や助産師も当たり前のようにをサポートするよう促してくれるのが幸いし、追い出されずにすみ、傍にいることができた。

きっと、後で怒るだろうな。





ようやく産まれたころには、はもうぐったりとしていた。


と僕の子は、まるでこの世の終わりのように一生懸命に泣き叫んでいて、
すぐにのお腹の上に乗せられた、小さな茶髪の男の子。


「、ありがとう……っ、よく耐えた…頑張ってくれてありがとう」

気付いたら、泣きながら感謝していた。


は返事をする体力なんかもう無いようで、僕の方を見て、まるで僕を安心させるように微笑んだ。

これだけ苦しんだ後でも、何もできなかった僕を気遣おうとするを、心の底から尊敬した。



子どもはすぐに連れていかれたが、身長と体重を計り、綺麗に洗ってもらって産衣を着せてもらうと、再びの横に戻ってきた。


「かわいい……」

は掠れた声でぽそっと零した。

「あぁ。めちゃくちゃ可愛い。
本当に、ありがとう。
二人とも無事で……よかった。」


「名前…きめて、くれた?」

「あぁ。決めたよ。降谷…───…だ」


/ 435ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp