第25章 幸せに浸かる
何度か内診にくる医師は
「順調に進んでるね。これなら今日中に産まれるんじゃないかな。それにしても今日は産まれる子がおおいな〜。」と笑っていた。
喋り方の呑気さに若干イラッとしたが、
は医師のその陽気さに少し気が抜けたようだった。
痛みはどんどん強くなっているようで、は苦痛の声を出して苦しんだ。
もう、見ていられないほどだった。
からは前もって“産むときは部屋から出てて!”としつこく言われていたが、とてもじゃないがこのまま放っておけるはずがない。
の意識が朦朧としていることに加えて、看護師や助産師も当たり前のようにをサポートするよう促してくれるのが幸いし、追い出されずにすみ、傍にいることができた。
きっと、後で怒るだろうな。
ようやく産まれたころには、はもうぐったりとしていた。
と僕の子は、まるでこの世の終わりのように一生懸命に泣き叫んでいて、
すぐにのお腹の上に乗せられた、小さな茶髪の男の子。
「、ありがとう……っ、よく耐えた…頑張ってくれてありがとう」
気付いたら、泣きながら感謝していた。
は返事をする体力なんかもう無いようで、僕の方を見て、まるで僕を安心させるように微笑んだ。
これだけ苦しんだ後でも、何もできなかった僕を気遣おうとするを、心の底から尊敬した。
子どもはすぐに連れていかれたが、身長と体重を計り、綺麗に洗ってもらって産衣を着せてもらうと、再びの横に戻ってきた。
「かわいい……」
は掠れた声でぽそっと零した。
「あぁ。めちゃくちゃ可愛い。
本当に、ありがとう。
二人とも無事で……よかった。」
「名前…きめて、くれた?」
「あぁ。決めたよ。降谷…───…だ」