第25章 幸せに浸かる
* * *
「零…、夜中に起こしてごめん。」
「ん…どうした?」
「破水したみたいで……」
「……! は病院に連絡して状況を伝えてくれ。
病院に行く準備するから。」
まだ予定日より一週間は早いが、あり得なくはないタイミングか。
急いでの着替え、入院バッグ、バスタオルをとり、の元へ戻った。
「すぐ病院に来てくださいって。」
「分かった。歩けるか?痛みは?」
「うん、歩ける。今は張ってるだけで痛くはないから。」
は不安そうな顔をしている。
僕が焦ると不安を煽る。
落ち着け、すぐに産まれるわけじゃないと調べたはずだ。
「服を着替えよう。手伝うよ。」
できる限り穏やかな声で伝えた。
の着替えを手伝っていると、痛み出したようでうずくまってしまった。
「うぅぅ、痛い…っ」
腰をさすりながら、痛みが静まるまで待った。
痛みが鎮まったタイミングで車に乗せ、
病院へ向かうが、少しするとまた痛みだしたようで、は助手席で痛みに耐えていた。
苦しそうだが、ここからまだまだ長くなるという。
「、ずっと傍にいるから。」
病院へ着いてもひたすらは痛みに耐え続けた。
腰をさすり、いきみ逃しを手伝う。
痛みが鎮まると水分を摂らせた。
他の部屋からは痛みで泣き叫ぶ声もきこえてくる。
あっちもかなり辛そうだ……
をここまで苦しめることになるなんて、簡単に“早く子どもが欲しい”と言ったことを酷く悔やんだ。
出産のたびに、こんなに苦しめるのか?
妊娠初期もつわりで相当苦しんでいたのに。
子どもは…、一人でも十分だ。
僕は代わってもやれないのに。