第22章 幸せな日々
「いちいち当てなくていい。」
私の顔を、零の胸に押さえつけて隠しながら、そう言った。
「ふふふっ。冷静に見えてもダメージが大きかったみたいだね。
私を癒す余裕が無いんでしょー?
これからは過去を根掘り葉掘り追及するのはやめようね?」
「それは無理だ。」
「なんでよ、懲りないなっ!」
「……助けて。」
「ちょっと…!自分からガツガツ質問しておいてそれはアリなの?!もうっ…!」
「僕はどうやら、離れていた七年間のも、自分のものにしたいみたいだ。」
「ふふっ。そうみたいだね。
過去の七年間はもうあげられないけど、この先の七十年をあげるから、それで手を打って?」
「はぁ…──
十倍もあるのに、やっぱり七年間も欲しい。手に入らないならせめて、七年間の全てを知っておきたい。把握しておけばラクになれる気がする。」
「な・れ・な・い!!
さっきので分かったでしょ?
知れば一時的に好奇心は満たされても、結局苦しむことになってる!
それに!零の七年間は?!零は内緒なの?」
「僕はあれから仕事しかしてない。潜入で国外にもいたし、誰かと付き合うなんて余裕もなかった。それに、と距離をおいてまで任務にあたっていたのに、別の人と付き合うなんておかしいだろ。」
「任務上の彼女は?
それか、付き合えなくて体の関係のみの相手とか?」
「任務はどうしようもない。何の感情もなく形だけの恋人だ。
体目的だけの特定の相手もいない。僕を何だと思ってる。」
「……経験値が高すぎてなんかあやしい。
それで、その任務上の恋人にも好きって言って、愛してるって伝え合いながら抱き合うのー?」
零を困らせたくて、同じ質問で返してみた。