第22章 幸せな日々
「なんでそんなに長く付き合って、この部屋には入れなかったんだ?」
「んー? 今度は、“異性をこの部屋に入れたことは無い”って話が嘘じゃないか疑ってるね?」
「ここに住んで5年なら、一人暮らしを始めたのはまだその人と付き合っていたときだろ。それで部屋に上げないなんてことあるか?」
「あるよ。」
「なんで?」
「その必要がないから。」
「相手も一人暮らしか。そこで一緒に住んでたのか?」
「ううん。住んでない。」
「よく泊まってた、だろ?」
「よく…というほどではない。」
「頻度を微妙に誤魔化そうとするな。
聞いている話だと、の本心は別として、本当に仲の良い恋人関係を築いていたように思える。プロポーズを断られるなんて考えてもいなかっただろうな。」
「分かってる。だから私が悪いと思ってる。」
「……僕のプロポーズは、にとって二回目か。
そうか…だから、婚姻届のときの方が新鮮な反応をしていたんだな。
前に、意外と料理の要領がいいって話をしたときにも答え方に違和感があったし、これでようやく腑に落ちたよ。
恋人の家に泊まっていたのかまでは、あのとき僕は訊かなかった。にしてやられたな。」
「ううん、三回目。」
「は?」
「プロポーズが二回目かって言うから、三回目だよってこと。」
「いや、それは解ってる。あと一回はどこだよ!」
「あ。ごめん四回目だ。」
「おい!嘘だろ!?」
「ほんと。でも、零からのプロポーズだけが特別だから。」
「はぁ…────」