第22章 幸せな日々
指輪は、今回も後日受け取りのため、今度こそ、受け取りくらいは私が行くと言って無理やり受取票を回収した。
忙しいのに、何度も足を運んでもらうのは申し訳ない。
自宅へ戻り、二人でコーヒーを飲みながらのんびりと過ごす。
それにしても、夜に任務で顔を出すって、何するんだろ…?時間的に本職じゃなくて潜入先の方だよね。
役員集会みたいな?戦略会議?
怖く…ないのかな……。
ううん、怖くないはずない。
平気で人を殺めるって言っていたんだから、警察官ってバレたら確実に始末される。
考えれば考えるほど、零がおかれている立場がいかに危険なのか、どれだけ神経をすり減らしているのだろうかと心配になる。
「。指輪を受け取ったら、写真撮影の予約をしておくよ。」
「えっ?!あ…、写真?予約くらいは私がするよ。どこか希望ある?」
「ありがとう。に任せるよ。これといった希望は無いけど、できれば…屋内で撮れるようにしてくれると助かる。」
「ん。わかった。」
「ところで、さっきの話だけど…」
「さっき?なんだっけ?」
「元カレとの京都旅行」
「あぁー…、え!?なんで蒸し返してきたの!?」
飲んでいたコーヒーを吹き出しそうになった。
「まさか、彼氏といながら人力車のお兄さんにメロつくなんてがそんな子だったとは知らなかったよ。」
「ん!?待って、まさかのそこ!?メロついてはいない!ただ逞しいなって思っただけ!ちょっと大袈裟に表現したの!」
「それで? "ライトアップでいい雰囲気の写真" っていうのはまだ残してあるのか?」
「もう無いよ。結構昔のことだから…。」
「見てみたかったよ。僕と離れていたころのを。」
「ははは…そんな、零と知り合ったころと大差ないよ…。お願い、もうこの話はいいかな?」
「なんで?」
「元カレとの思い出って分かったら楽しくもないでしょ?
私から京都の話を持ち出したとは言え……何でそんなに訊くの…?
私は零の元カノのこととか、どこに行ったとか、知りたくない。」
「……悪い。楽しそうに話してたから嫉妬した。」
「ううん、私もごめんね。余計なこと話して。零なら“誰と行ったのか”ってなるよね。」
零以外なら、そんなことまで聞かれないけどね……?