第21章 酔うと… ※
友人には結婚したことを内緒にした方がいいのかと思いきや、
零が「身近な人だけなら、安室として言ってもいい」と言うので、同期の詩織には伝えることにした。
ただ、潜入が終わったあとが複雑になるため、伝える相手はほんのごく一部。
*
「えっ!?えぇぇぇぇ!?待ってよ、いつの間に!?」
「ごめん、言うタイミングが分からなくて…。入籍したのは最近で、式の予定もないの。」
「びっくりした!びっくりしすぎてお祝いも言い忘れるところだったよ!本当におめでとう。」
「ふふっ。ありがとう。」
「どんな人?写真とかないの?」
「あー…無いの。写真嫌いな人でね。」
「えー見たかった!名字は?何になったの?」
「"安室"になったよ。」
「安室ね。どう?」
「ど、どうとは…?」
「ほらー、何か思うことないの?」
「……変な感じかな。それにまだ、あんまり呼ばれることもないから!」
「確かにね。仕事では今までどおりのまま?」
「うん。そうなの。職場では旧姓で仕事を続けたいから、変更後の名前は詩織も呼ばないでね?」
「そうなの?了解~!それにしても、式もしないって、は結婚式とか嫌じゃないよね?」
「忙しい人だから仕方ないかなって思ってる。」
「我慢してない?」
「我慢してる。でも、そのくらい我慢してもいいから一緒にいたいなって。」
「いいじゃん。のろけてきたね?」
「あはは…つい。」
「は今まで惚気るとかなかったから、新鮮だなー。恋愛にドライだったし。よっぽど好きなんだね。」
「うん、特別だから。」
「もう!!の特別だなんて、私が妬きそう!」
「ふふっ。何それ。詩織はどうなの?彼氏と。」
「たぶんいつか結婚するかなーって感じ。」
「え?ちょっと、どういう感じよそれ。」
「相手も私も結婚相手探してて知り合ってるし、このまま続けば結婚するとは思う。そういう話もしてるからさ。」
「なるほど?恋愛のドキドキ感がなく穏やかな日常、みたいな感じ?」
「それー。」
「家族になるって考えたら、穏やかに自然でいられるって大事だよね。」
前に付き合っていた人とも、穏やかでそんな感じだったな……って思い出してしまった。