第19章 強盗(1)
「そうか…。生きていて目の前で人が突然死ぬところを見るのは、にはきっと、ほぼないことだと思う。
というか、そうであってほしい。
もし、その人の最後の言葉をきいてあげたらよかったと思ったなら、もしもそのときが来たときに、今日できなくても次はそうしてあげたらいいと思う。
ただ、その人の最後の言葉が、残酷にも自分が一生背負うほどの傷や責任としてのしかかってくる場合もある。
最後の言葉をきくことが、綺麗事で済まされないほど重く、その場限りのものではないことも理解してくれ。」
「──…!」
「悪い…!言葉が強すぎた。」
「ううん…、違うの。ごめん、本当に零の言う通りだよ。
零はきっと、何度も感じてきたことだよね。
気付かせてくれてありがとう。
その人が思い残した後悔や恨みを、背負って生きる勇気なんて私には無いくせに…。」
「僕は…の思い遣りの強さに惹かれたんだ。
自分の考えの正しさに拘らず、こうやって相手の意見を尊重できるところも、らしくて僕は好きだ。
だから、そのままの君でいてくれ。そういう自分を責めないでほしい。」
「うん…ありがとう。零のおかげで自己肯定感も上がっちゃうね。
あ。食器、私が片付ける。」
「僕がするよ。はゆっくりしてて。」
「ううん、平気。零は……早くシャワー行ってきて?」
「ん…?誘ってくれてる?」
「んー?」
「ははっ、どっちか分からないな。」