第17章 愛しつづけるよ ※
── 零視点 ──
治療室へ続く廊下で、また見覚えのある顔が座っている。
「……なんで、またFBIがいる。」
「うぉっ!ポアロの……公…安!?」
「はぁー。赤井はお前の付き添いか。」
「え?あぁ、待合室で赤井さんに会ったんだな。」
「待て…………それは、なんだ?」
「は…?どれのことを?」
「手に持っているものだ。」
「これ?ハンカチと、上着だが…これが、なんだっていうんだ。」
血まみれだが、見覚えのある柄のハンカチ。これのみであれば偶然同じものを持っていたに過ぎないが、その上着まで同じなはずがない。
「…………それは、誰のものだ?」
「これは赤井さんの…友人が、応急処置にと、それがなんだ?」
「赤井の友人?」
「あぁ。知り合いか?茶髪のロングヘアーで、細身の色白、綺麗な女性だった。
送り届ける途中だと言っていたし、赤井さんの表情が随分柔らかかったから恋人なのかも知れないな…。」
ほぼ間違いない。だが、違ってくれ……
「名前、は……」
「たしか、さん……、 だった。」
「はははははっ!赤井…どこまでも……!」
「なんだ、どうした?」
「それは僕が預かる。」
「え…?いや、これは自分で返す。手当てのお礼をしなければならない。」
「その必要はない。彼女は、僕の婚約者だ。彼女の物が、FBIの手にあるだけで不快だ。」
「えぇぇ!?あ、赤井さんの恋人じゃなく!?」
血だらけのハンカチと上着を袋に入れて受け取った。
くそっ!どうして二人が一緒にいる。
は今日、実家に行っていたはずだ。
ふと、先程の赤井の妙な発言を思い出した。
─── 『そうか……家に戻るのか?』
は……?あれは、まさか!!
ここにがいたのか!?
急いで待合室に戻るが、赤井はもういなかった。