第15章 たくさんの人に囲まれる人生を
頭の中に、色んな思いがめぐる。
なんで今まで黙っていたの?
違う。黙ってたんじゃない。話せなかったんだ。
折れていないように見えても、大きな傷として残っているから、零は不安定なときがあったんだ…。
それに……話すことで、私が不安がると思って言い辛かったのかも知れない。
私も、みんなの現在を聞かなかった。
仲が良さそうだったのに、再会してから彼らの話がほとんど出なかったけれど、
てっきり、零は潜入中だから警察関係者と親しくしないようにしていたり、他のみんなも同じように潜入していたり、それぞれ忙しくて連絡を取らなくなったのかと思って、疑問にも思わなかった。
急に話そうとしたのは何で……
『おいヒロ!このお通し、すげーうまいぞ!』
――今日作った夕食は……
合コンで食べたあのお通しを自分なりに再現したものだった。
だけど、前にも作ったことはあったはず。
『よせよせ、ゼロは年上の女医さんしか興味ゼロだからよ!』
――今日、その女医さんの話に触れた。
『最後に零といられるなら』
――終わりを連想させた。
そして、七年前の話。
今日の私との会話以外にも、当時を思い出して気持ちが溢れることが、仕事で何かあったのかも知れない。
まさか、みんなが
亡くなっていたなんて…―――
私、今まで何を言ってきた……?
『うぅ……いま死んでももう何も悔いはない……っ!』
『怖いこと言うな。何が何でも死なせないからな。』
『ふふっ。私って余命幾ばくもないの?』
『……死ぬな。
僕をおいて、いかないでくれ。』
私……なんて残酷で、零の傷を抉るような、とんでもない冗談を――…
零は毎回、“死”に対しては冗談と笑わず、真剣に受け答えをしてきていたのに――…
『……、何があっても僕の傍を離れるな。』
あのときの、あのセリフの意味は……
ただの別れる別れない、信じる信じないじゃない。
零をおいて私が死ぬことを、ずっとずっと、恐れていたんだ…―――
たった一人残されて、
いったい、どんな思いを――――!