第13章 探るな危険
「零、もしかして今日海に行った?」
「……え?」
「なんとなく磯の香りがするような…髪も何だかいつもよりサラサラ感がないような…潮風に当たったあとみたいな。」
「はははっ。鼻が効くな。
今日はコナンくんの友だちの失くしもの探しに付き合ってね。
子どもたちと海まで行くことになったよ。」
「ふふっ。そうだったんだ。コナンくんの友だちって少年探偵団の?
あの子たちすごく元気いっぱいだし、大変だったね。」
「あぁ。でも付き添った僕も楽しめたよ。コナンくんはまるで小さなシャーロックホームズだった。
はまさか、僕が女性と海辺をデートしてきたとでも思ったのか?くくっ。」
「あ。バレた?そのパターンも妄想した。
それにしても、零は子どもに優しいよね。
透さんのときは、子どもに優しい雰囲気もあるけど、零は俺様なところあるから、“論理的に話ができないから子どもは苦手”って言ってもおかしくないのに。思いやりがあるからかな。」
「……子どもたちを見ていると、自分の子ども時代をよく思い出すよ。」
あんまりいい思い出じゃないのかな。
少し、切なそう。
「零は、どんな子どもだった?」
「そうだな… ケンカばかりして、よく怪我をしていたかな。」
「ふふっ。意外。真面目な子ども時代だったのかと思った。」
「髪の色をよくからかわれてね。
そのとき、よく怪我の手当をしてくれた女医さんがいたけれど…――
急に、姿を消してしまったんだ。
その人を探すために……
あっ、いや。すまない、何でもない。」
「……ん?どうしたの?
その人を探すために警察官になったってこと?」
「ん、まぁな。
僕なら今の話でも嫉妬してるよ。」
「わぁ。零のそういうところが可愛い。じゃあ初恋かな?
でも、そっか……大切な女性なんだね。
子どもの頃に大事にしていた想いを、大人になってからも色褪せずに持ち続けるのって難しいのに、つよい意思が零らしい。きっと、その女医さんは子どもの頃に傷付いた零の心も救ってくれたんだね。」
「あぁ… そうだな。」