【ブルーロック】GAGAMARU symphony
第2章 隣の野生児

そんな態度で生活しているとクラスメイトも私には必要以上に関わってこなくなった。
別にそれでイジられることもないし、イジメられることもない。
みんなそれぞれの青春を謳歌するのに精一杯で私のことなんて構っている暇なんてない。
一芸突出で入ってくる人がほとんどのこの学校で、学校生活に何の意義も目標も見出してないのなんてたぶん私くらい。
でも、それでいい。
それなりに勉強して、それなりに受験して、それなりに卒業して。
私の高校生活なんて、それでいい。
そう思っていたら一年生はあっと言う間に終わった。
きっとあと二年間もこんな感じで過ぎ去っていく。
それを息を潜めてやり過ごす。
そう考えたら少しだけ息がしやすくなった。
高校二年の新学期。
新学期は好きだった。
席が出席番号順で、出席番号順が早い私はいつも窓際の席になれるから。
今年も私は窓際の席の前から二番目。
一番前は何かと何でも最初に当てられがちで嫌だけど、二番目だからちょうどいい。
授業以外の時間は音楽を聴きながら外を眺めていれば誰も近づいてこない。
去年はそうだった。
今年もそうなると思ってた。
でも、違った。
その日は天気が良くて、日が差す窓際は気持ちが良かった。
昼ご飯を食べた後の五限目が始まるまでの昼休み、いつものように自分の席で音楽を聞きながら少しウトウトしていた。
どのくらいそうしていたかわからないけど、不意に耳からイヤホンが抜ける感覚がしてハッと起きた。
下に落としたのだろうかと床を見たけどどこにもない。
転がっていってしまったのだろうかと広く床を見渡す。
けれどどこにも見当たらない。
隣の席の人の足の陰にあるかもしれないから角度を変えて見てみたけどやっぱりない。
もう一度机の上や中を見て、そうでなければ机の横に掛けているカバンの中か…。
そう考えながら顔を上げようとした時に気づいた。
椅子に座っているであろう隣の席の人の大きな足がこちらに向いている。
もしかしてイヤホンを拾ってくれたのかもしれない。
隣の席の人は男子で、話したこともなかった。
早くイヤホンを回収したい。
できれば言葉を交わすのは最小限で。
私は顔を上げてその人を見た。
やっぱりこっちを見ている。
見開かれたどんぐり眼で私を見ている。
その手に私のイヤホンは見当たらない。
けれど、その人の左耳には私のイヤホンと同じものが入っていた。
