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【ブルーロック】GAGAMARU symphony

第2章 隣の野生児


「透、動物好きなの?」

我牙丸くんは私のスマホ画面を指差した。
画面にはまだ動物の動画が流れ続けている。

「あ…うん、好き…かな」

「そか」

「えっと…いつからそこにいたの?」

「パンダのところから」

もう最初からじゃん。
なんで私も気づかなかったんだろう…
最近のイヤホンのノイズキャンセリング機能、性能良すぎるでしょ。

「そんなに前からいたなら声かけてくれたらよかったのに…」

「かけた。けど返事なかった」

かけたんかい。
で、それでも私、気づかなかったんかい。
最近のイヤホンのノイズキャンセリング機能、性能良すぎるでしょ(二回目)。

「動物の動画、俺も持ってる」

「え?」

我牙丸くんはポケットから自分のスマホを取り出すと何回かタップして画面を自分と私の間に持ってきた。
画面を見ると茶色動物が木に背中を擦り付けているところが映っていた。

「これ、猪が背中掻いてるところ。泥を身体に塗ってこうやって木に擦りつけて寄生虫とか落としてる」

「へ、ぇ…そうなんだ…」

私がそう返すと画面をスワイプして今度は違う動画が流れる。
今度は綺麗な羽根の鳥が歩いている。

「綺麗な鳥だね」

「これは雄のキジ。こっちが雌」

またスワイプして動画を切り替えると今度は全身茶色で地味な鳥が映った。

「こっちは羽根に色味がないんだね」

「うん。山の動物は雌が雄を選ぶから雄は雌に選んでもらうのに目立ってる」

「へぇ、我牙丸くん、物知りだね?」

「山のことなら。ちなみにキジは雄より雌の方かうまい」

「え!食べるの?」

「食べる。でも、取りたての猪の肉が一番うまい」

「えー!猪食べるの!?」

「うん、食べる。うまい」

「えー!ウソだぁ!」

「ウソじゃない。うまい」

「うわー、想像できないなぁ……!」

ここまで来て初めて我牙丸くんと普通に動物トークしていることに気づいて慌てて口を閉じた。
恐る恐る我牙丸くんを見たけど、我牙丸くんはいつもの調子のどんぐり眼で、「?」と少し不思議そうに小首を傾げていた。

「…あの、動画、ありがと…」

「うん。また撮ったら見せる」

「え、あれ、我牙丸くんが撮った動画なの?」

「うん。山で」

「あ、そうなんだぁ…」

そこでしばらく沈黙が走る。
動物トーク以外、我牙丸くんと何を話せばいいかわからない。
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