第4章 言葉になっちゃった
日中はそこまで考える余裕、なかった、のに。
え、なに まって。
いちばん怖かった瞬間、前に立ってくれた背中。
たぶん初めて聞いた、少し低めの声色。
シシィはいまさら、何回も思い出していた。
どうしよ か、かっこよかった。
安心、した……。
え?
これ
わたし ノルバートのこと好き……じゃん。
しかもけっこう前から。たぶん最初から。ずっと。
ずっと蓋してたのに。ずるいで済ませてたのに。
一度言葉になった気持ちは、もう取り消せそうにない。
ついに、やっちゃった。
明日……どんな顔して会えばいいの、これ……!!!
◇◇◇
「おお、お、はよっ!」
明らかに……緊張している。
「昨日、大変だったね。寝れた?」
「うんっっ!」
よし、普通の声で言えた、と、ノルバートは息をつく。
あれ、よほど怖かったんだな……。
今日はできるだけそばにいよう。