第1章 五条悟
【婚活パーティー】
「…場違いかも」
ロロは婚活パーティーの会場を見回し、小さく息を吐いた。周囲では参加者たちが楽しそうに会話している。とりあえず1人と話してみよう。そう思って席を移動しようとしたその時。
「そこ、座っていい?」
突然、頭上から声が降ってきた。顔を上げる。白い髪。 黒いサングラス。 そして、やけに整った顔。
「…どうぞ」
「ありがと」
五条はロロの向かいに座ると、名札を確認した。
「へえ、ロロちゃん?」
「はい。…五条さん?」
「そ。五条悟」
にこっと笑う。
「よろしく」
「よろしくお願いします」
「こういうの、初めて?」
「…はい」
「僕も」
「嘘っぽいです」
思わず口から出た。五条が一瞬きょとんとして、吹き出す。
「ははっ!何それ。初対面なのに面白いね、ロロちゃん」
「すみません…」
「謝らなくていいって。むしろ気に入った」
「気に入った?」
「うん」
五条は頬杖をつき、じっとロロを見る。
「だって、普通なら僕の顔見たらもっと緊張するでしょ?」
「…ちょっとはしてます」
「じゃあ、もっと見ていいよ」
「なんでですか」
「僕もロロちゃんのこと見たいから」
軽い言葉。なのに、不思議と嫌な感じはしなかった。やがてスタッフから終了の合図が入る。
「もう終わり?」
五条が名残惜しそうに呟く。
「じゃ、またね」
「はい」
ロロが立ち上がろうとすると、五条が呼び止めた。
「ねえ、連絡先、交換しない?せっかく今日、初めて会ったんだし」
これが、五条との最初の出会いだった。