第21章 彼シャツ
「そっかぁ。私ってそんなにあなたを気持ちよくできるんだ」
「そうだぞ。でも、お前の愛があるからだ。愛がなければ、こんなこと出来ないだろう?」
それはその通りだが、最初の日の暴挙を彼も思い出したのか、すぐに慌てた面持ちになる。
「⋯⋯あれは俺の無謀な愛だった。すまん。そして俺は、お前の腹を満たせると本気で信じていた。間近で人間を見たのは初めてだったからな。……それに、もちろん下心もあった」
あなたは正直に白状した彼に吹き出してしまう。
でも反省する様子が伝わり、彼の頭を優しく撫でた。
「いいよ。もう分かってるから。今も満たされたし」
「ほんとか?」
「うん。なんでかは分からないけど、すっごく嬉しい~」
あなたはルドガーの大きな体に抱きついて、また抱きしめてもらう。
愛を与えることと返すことが、心と肉体そのものを満たすことなのだと、すでに知っているのだ。
「……っ! 俺もお前に同じように返したい。さあ受け取ってくれ!」
「えっ。いや今は大丈夫。この前もしてくれたでしょう」
「あれは結構前だ。嫌なのか? お前はすごく恥ずかしがってたものな」
あの瞬間を思い出して赤面する。
「い、嫌じゃないけど…ほんとは嬉しかったよ。でも今は無理! 夜にして!」
「わかった。そうしよう。じゃあ今は一緒に起きるか。よし、朝ごはんは俺が作るからな」
「ほんとっ? わーい」
ベッドから下りた活力いっぱいのルドガーに、元気いっぱいのあなたも彼のシャツを着たまま、一緒についていったのだった。