第9章 お世話編
数時間後、窓の外が薄い夜明けを告げる頃。
あなたの体は彼の片側に抱かれ、優しい手つきで撫でられていた。
「はあ……素晴らしかったね」
「ああ。すべて満たされたな。……お前にあんなふうに求められたら、俺はもうだめだ」
いつもの彼の力の半分も出してなさそうだが、気力はすっからかんになったようだ。
「ねえねえ。ルドガーって、こういう交尾もできるんだね。びっくりしちゃった」
「ふっ。お前のためならなんでも出来るさ。休暇中だって、一人で抜いてたんだ」
甘やかなピロートーク中に、急に爆弾発言が落とされる。
あなたは思わず顔だけを上げ、彼を見やった。
「え? いつ?」
「お前が寝静まったあとだ。一人でやるのは虚しいな。だがお前のことを考えていたら、すぐに出たぞ」
自慢気に明かされ、あなたは口元を笑ませたが、喜んでいいものか迷った。
「そ、そっかー。ありがとう。ってなんで私がお礼言ってるのよ。……でもルドガー、最初の頃は一人でできるか!って怒ってたのに、すごいね。頑張ったんだね」
「ああ。俺は頑張った。オスとして当然のことだ。番のお前が一番頑張ってるんだから」
そう言われた途端、また無意識に目元がうるっとくる。
「えらいぞ、。お前は俺の誇りだ。きっともうすぐ体もよくなる。一緒に頑張ろうな」
頭を大きく撫でられて、あなたは顔をくしゃくしゃにして彼の胸元にこすりつけた。
彼はこのとき、言ってほしかった言葉を全部言ってくれた。
「うう~。ルドガ~っ、大好きぃっ」
溜まりに溜まった思いが溢れ出していく。
彼はあなたのことを大事そうに胸にしまい、安心させるように背中をずっと撫でてくれた。