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【Dグレ】Twin Ray -灰の世界に響く歌- の短編集

第7章 【番外編】中身にご注意



ラビが私の肩へ腕を回す。


「ま、これであのヤロウも、二度とティファに色目使わねぇだろ」

「私が異様に怖がられることになったのだけど」

「悪ぃ悪ぃ。でも、今度こそ懲りたろ」


「……そうだといいけれど」

私は、ペック班長が逃げていった廊下の先へ目を向けた。


その隣で、ラビも同じ方向を見つめる。


肩へ回された腕に、僅かに力がこもった。


「ま、もし懲りてなくても、また触ろうとしたら、次はオレが止めるさ」

笑顔で告げるラビを見上げる。


止める、という言葉の意味を深く聞いてはいけない気がした。


「……これ以上トラウマは植え付けないでね」


「善処する」

「約束して」




数日後、ラビと廊下を歩いていると、リナリーに呼び止められた。


「あっ、ねぇティファ、ちょっと聞きたいんだけど」

「どうしたの?」

「最近、ペック班長が全然近づいてこなくなったの」


リナリーは心底ほっとした顔をしていた。


「前は、コーヒーを運ぶたびに話しかけられて、少し困ってたから」


「そう……」

「特に、ティファが近くにいる時は絶対に来なくて」



心当たりしかなかった。


「ティファ、何かしたの?」


「……何もしていないわ。『私』は」


嘘ではない。

したのは、私の身体に入っていた神田だ。


「そう? でも、助かったわ」

リナリーは嬉しそうに手を振り、廊下の向こうへ去っていった。



隣で、ラビが小さく呟いた。

「ユウ、いい仕事したさ」


「褒めていいのかしら……」



それ以来、ペック班長は私と目が合うたび、きっちり三歩後退するようになった。


書類を受け取ろうと手を伸ばしただけでも、である。


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