【Dグレ】Twin Ray -灰の世界に響く歌- の短編集
第6章 【番外編】脚線美論争、勃発
「……っ」
ラビが、慌てて鼻を押さえた。
「ラビ?」
ティファが不思議そうに覗き込む。
ぽた。
赤いものが床へ落ちた。
「ラビ、鼻血!?」
「……ティファ、今のは駄目さ……」
「え?」
「自覚なしで言うのが、一番駄目……」
ラビは鼻を押さえたまま、がくりと膝をついた。
アレンが呆れたようにため息を吐く。
「何をしてるんですか、本当に……」
一方。
その奥では、コムイに捕獲されたファインダー達が床へ正座させられていた。
「さあ、答えなさい!!」
コムイが眼鏡を光らせる。
「リナリーの脚について何を語っていたのかな?」
「室長、笑顔が怖いです!!」
「ちなみにティファ派の証言も取るからな」
鼻を押さえたまま、ラビがゆらりと立ち上がる。
ファインダー達が絶望の声を上げた。
「ラビまで敵に回った!!」
「裏切り者!!」
「当たり前さ」
ラビは翠の瞳を細め、にっこり笑った。
「ティファの脚について話してた奴、全員前出ろ」
「恋人の独占欲が怖い!!」
「あとアレン、お前も端に立っとけ」
「僕は何もしてないでしょう!?」
「想像した罪」
「冤罪です!!」
食堂に悲鳴が響き渡る。
その隣で、ティファはまだ頬を赤くしたまま、小さく首を傾げていた。
「……そんなに、変なことを言ったかしら」
「ティファ」
リナリーが優しく肩へ手を置く。
「多分、ラビ相手にはかなり強烈だったと思う」
「そうなの……?」
「そうなの」
視線の先では、ラビが鼻血を拭きながらファインダー達を問い詰めている。
けれど時折、思い出したようにティファを見ては、また慌てて視線を逸らしていた。
その耳は、最後まで赤いままだった。