【Dグレ】Twin Ray -灰の世界に響く歌- の短編集
第6章 【番外編】脚線美論争、勃発
昼下がりの黒の教団本部。
任務報告も終わり、科学班の慌ただしさも一段落した頃。
食堂の隅では、数人の若いファインダー達が、妙に真剣な顔で円卓を囲んでいた。
机の上には、飲みかけの紅茶と食べかけのパン。
けれど、誰一人として手を伸ばそうとはしない。
彼らは今、それどころではなかった。
「……だから俺は、リナリーさん派だと言っている」
一人のファインダーが、重々しく口を開いた。
「分かりやすく完成されているんだ。あの短いスカート丈。歩いた時にすらりと見える脚。健康的で、軽やかで、しかも本人が可愛い」
「浅いな」
向かいの男が、静かに首を横へ振る。
「何だと?」
「見えているものを見て喜ぶだけなら、誰にでも出来る」
「お前は一体何の話をしているんだ」
「俺はティファさん派だ」
その言葉に、周囲の空気が変わった。
数人のファインダーが、ごくりと息を呑む。
「……来たか」
「ああ。来ると思っていた」
ティファ派の男は、机の上へ両手を組み、静かに語り始めた。
「ティファさんの団服は、正面から見ると上品で隙がない。丈も長い。露出を狙っている感じは一切ない」
「それで?」
「だが、任務中に走るだろ」
全員が黙る。
「横へ踏み込む。レイピアを抜く。翻った裾のスリットから、一瞬だけ脚が見える」
沈黙。
「……分かる」
誰かが小さく呟いた。
「分かるだろう!?」
ティファ派の男が勢いよく身を乗り出した。
「普段は隠れているからこそ、動いた時の破壊力が違うんだ! あれは偶然見えるから良いんだ!」
「確かに……」
「見せるリナリーさん。動きの中で見えるティファさん……」
「これは難しいぞ……」
一同が深刻な顔で唸り始めた。