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【Dグレ】Twin Ray -灰の世界に響く歌- の短編集

第5章 【番外編】騒がしい休日


いつも余裕たっぷりに人を観察している彼が。

リナリーの何気ない一言だけで、こんなにも取り乱している。

その姿が、あまりに可笑しくて。
私はとうとう吹き出してしまった。


「ふ、っ……あはは……!」
「わ、笑うなよ! こっちは真剣なんだって!」

「ごめんなさい……っ、でも」


あまりにも真剣に。
あまりにも見当違いなことで悩んでいる。

その落差が、たまらなく可笑しかった。


「大丈夫よ、ラビ」

私は笑いながら、彼の手を取った。

「リナリーは、大事な友達」


そこで一度、言葉を切る。

ラビの翠の瞳が、じっと私を見ていた。


「あなたは……あなたよ」

ラビが、ぴたりと固まった。

今度は別の意味で。



「……なら、いいさ」

少し遅れて返ってきた声は、拗ねたようだった。


けれど。
握った手を、彼はしっかりと握り返してくる。

耳が、ほんの少し赤い。


その隣では、コムイさんがまだ、

「本当の脅威は身内に……!」

と、コムリンの残骸を抱えて嘆いていた。


リナリーの額に、青筋が浮かぶ。

「兄さんは、もういい加減にして! が困るでしょう!」


――ゴンッ。

「痛いよ、リナリー!」


リナリーの怒鳴り声と、皆の笑い声が。
夕暮れの街へ、賑やかに響いていた。
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