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【Dグレ】Twin Ray -灰の世界に響く歌- の短編集

第5章 【番外編】騒がしい休日



再び二人で通りを歩き始めて、しばらくした頃だった。


――ゴゴゴゴゴゴ……!

地面が、揺れた。


「な、何?」

リナリーが足を止める。


通りの向こうから、地響きと共に何かが近付いてくる。


人々の悲鳴。
逃げ惑う足音。

そして。


「リ、ナ、リー、サ、マ……ヲ、マモル……!」

巨大な機械人形が、通りを蹂躙しながらこちらへ突進してきた。


「コムリン!?」

リナリーが、悲鳴に近い声を上げる。

「なんで、こんなところに!? 兄さん……またなの!?」


コムリンは、その巨体で店先を薙ぎ倒し。

露店をひっくり返し。

真っ直ぐこちらへ向かってくる。


「テキ、ホソク……リナリーサマニ、チカヅイタ、オス……ハイジョ、スル……!」

「もう、その男たちは私が追い払ったわよ!?」

思わず叫ぶ。


けれど当然、コムリンにそんな言葉が通じるはずもない。

遠くで、逃げていたはずのナンパ男たちの新たな悲鳴が上がった。


「ぎゃああああ! なんだこの街!」
「もう二度と来るか!」


「だから、もう解決してるってば……!」

私の抗議も虚しく。

コムリンは暴走を続け、街をさらに破壊していく。


リナリーのこめかみが、ぴくりと引き攣った。


「もう……こうなったら、私が止めるわ!」


淡い光が弾ける。

ダークブーツを発動させたリナリーが、石畳を強く蹴った。


その身体が、一気に宙へ舞い上がる。

暴走するコムリンの頭上高くへ躍り出ると、宙で鋭く身を翻した。


「ハァッ!」

回転の勢いを乗せた渾身の蹴りが、コムリンの脳天へ叩き込まれる。


――轟音。

鋼鉄の巨体へ、大きな亀裂が走った。


「リ、ナ、リー、サ、マ……ナ、ゼ……」

「自業自得よ!」


追撃の一撃。

ダークブーツが、コムリンの装甲を粉々に砕いた。


巨大な機械人形は断末魔のような駆動音を上げ――

やがて、その場へ崩れ落ちる。


火花を散らしながら、完全に沈黙した。

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