【Dグレ】Twin Ray -灰の世界に響く歌- の短編集
第5章 【番外編】騒がしい休日
一方、その頃。
黒の教団本部。
「リナリーが……街へ……男といる可能性が……!?」
執務室で、コムイが頭を抱えていた。
「いえ、室長。と二人だと聞いていますが」
リーバーが冷静に訂正する。
「甘い! リーバー君、甘いよ!」
コムイが勢いよく顔を上げた。
「街には無数の男がいる! つまり、リナリーが男に声をかけられる可能性は、限りなく百パーセントに近い……!」
「そんな計算は成り立ちません!」
「僕の可愛いリナリーが……どこの馬の骨とも知れない男に……!」
コムイは、がばりと立ち上がった。
その眼鏡の奥には、正気とは思えない光が宿っている。
「コムリンを起動する!」
「やめてください!」
「リナリーの安全は、僕が守る! ついでに街の安全も!」
「順番が逆です! というか、コムリンが一番の脅威です!」
リーバーの制止も虚しく。
コムイは、巨大なスイッチを勢いよく押し込んだ。
――ガコンッ。
次の瞬間。
ゴゴゴゴゴ……と、重い駆動音が本部中へ響き渡る。
教団の一角で、巨大な機械人形が目を覚ました。
「コ、ム、リ、ン……起動……」
「あぁ……終わった……」
リーバーが、頭を抱えてその場へ崩れ落ちた。