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【Dグレ】Twin Ray -灰の世界に響く歌- の短編集

第4章 【番外編】恋人のお弁当は、愛が硬い


ラビは慌てて水筒へ手を伸ばし、水を一気に流し込んだ。

アレンが恐る恐る、小さな欠片を口へ運ぶ。

数秒後。

無言で水筒を受け取った。

「……甘いですね」

「だろ!?」

「任務中の糖分補給には、良いのかもしれません」

「前向きに捉えるにも無理あるさ!!」

壁際から、神田の冷たい声が落ちる。

「だから食うなっつっただろうが」

「まだ言われてない!」

「今言った」

「遅ぇよ!!」

ラビは、改めて弁当箱を見つめた。

圧縮された白米。

兵糧丸のような唐揚げ。

粉末状のブロッコリー。

菓子のように甘い卵焼き。

どれも、普通の弁当とは少し違う。

かなり違う。

けれど。

一生懸命に、本を見ながら作ったのだろう。

そう思えば、残すという選択肢は取りづらかった。

その時。

弁当箱の蓋の裏に、小さく挟まれた紙片があることに気付いた。

「……ん?」

ラビはそれを指先で摘まみ、広げる。

そこには、丁寧な文字で短い言葉が記されていた。

『ラビ、任務頑張って。帰ったら感想を聞かせてね』

「…………」

ラビは数秒、何も言わなかった。

アレンが、そっと紙片を覗き込む。

「……ティファ、ラビのために書いたんですね」
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