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【Dグレ】Twin Ray -灰の世界に響く歌- の短編集

第4章 【番外編】恋人のお弁当は、愛が硬い


「何でブロッコリーが粉になってるんさ……」

「食べやすいよう、細かくしたのでは」

「食べやすいの範囲を越えてんだろ……」

細かな緑色の粒は、弁当箱の隅へ几帳面に寄せられている。

ラビは、恐る恐る箸の先で少しだけ掬った。

口へ入れる。

味は、普通のブロッコリーだった。

ただし、食感はほぼない。

「……これは、食える」

「良かったですね、ラビ!」

「ブロッコリー食えただけで喜ばれる弁当って何……」

そして最後に。

卵焼き。

淡い黄色。

綺麗な四角形。

焦げ目もなく、切り口も整っている。

ここまで見た中では、最もまともだった。

ラビの表情が、少しだけ明るくなる。

「これは絶対いけるさ。見ろよ、形綺麗だし」

「確かに、これは大丈夫そうですね」

アレンも安堵したように頷く。

神田だけは、疑わしそうに眉を顰めたままだった。

「油断すんな」

「ユウ、心配し過ぎさ。これはどう見ても普通の卵焼き――」

ラビは、卵焼きを一切れ口へ運んだ。

噛む。

その瞬間。

「…………っ甘ぁ!?」

廃駅中に、ラビの悲鳴が響き渡った。

アレンが驚いて目を丸くする。

「そんなにですか!?」

「甘い! 甘いさ!! 何これ、卵焼きじゃなくて砂糖の塊だろ!?」
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