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【Dグレ】Twin Ray -灰の世界に響く歌- の短編集

第4章 【番外編】恋人のお弁当は、愛が硬い


「たぶん……火を通さなきゃって思って、限界まで揚げたんだな……」

「その結果が武器か」

神田が冷たく言い放つ。

ラビは唐揚げを見つめる。

見た目は、悪くない。

むしろ少し美味しそうですらある。

だからこそ、余計に悲しかった。

「……でも、ティファが頑張って作ってくれたし」

「ラビ?」

アレンが嫌な予感に目を見開く。

止める間もなく、ラビは覚悟を決め、唐揚げを口へ運んだ。

一口。

――ゴッ。

「っっっっ!!?」

顎へ、尋常ではない衝撃が走った。

ラビの目に、反射的に涙が浮かぶ。

「ラビ!?」

アレンが慌てて身を乗り出す。

ラビは口元を押さえたまま、震える手で親指を立てた。

「だ、大丈夫……歯は……まだ、ある……」

「食べ物を食べた感想じゃないですよ!?」

神田が深々と溜息を吐いた。

「学習しろ、馬鹿ウサギ」

「うるせぇ……ティファの愛が……硬ぇさ……」

「頭までやられたか」

続いて、弁当箱の隅へ目を向ける。

そこには、鮮やかな緑色の何かが敷き詰められていた。

ラビの身体が、びくりと強張る。

「……待って。緑は嫌な記憶があるんだけど」

アレンが慎重に覗き込む。

「香草ではなさそうです。恐らく、ブロッコリーですね」
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