【Dグレ】Twin Ray -灰の世界に響く歌- の短編集
第1章 【アレン番外編】それでも、君が笑うなら
「……はは」
小さく、自嘲気味に笑う。
最初は、ただ憧れだった。
強くて、優しくて、眩しくて。
けれど、いつの間にかそれだけではなくなっていた。
あの赤髪の記録者が現れてから、少しずつ何かが変わっていった。
ティファは、ラビといる時だけ違う顔をする。
笑っているのに、どこか泣きそうで。苦しそうなのに、どうしても離れられなくて。
まるで感情そのものへ呑み込まれているみたいだった。
アレンは、その顔を見るたび胸がざわついた。
自分といる時のティファは、いつも穏やかだ。柔らかくて、安心しきった顔で笑ってくれる。
けれど、ラビといる時の彼女は、あまりにも危うかった。
それが、怖かった。
いつか自分では届かない場所へ、彼女が行ってしまう気がして。
そして昨日。
とうとう、自分は追い付けなかった。
アレンは静かに窓の外を見る。
白い雪。冷たい景色。
なのに、胸の奥だけがまだ熱い。