【Dグレ】Twin Ray -灰の世界に響く歌- の短編集
第1章 【アレン番外編】それでも、君が笑うなら
マナに会いたい。
謝りたい。
もう一度、名前を呼んでほしい。
そう泣いた自分を、は抱き締めてくれた。
許すとも、忘れていいとも言わずに。
ただ。
『……会いたいよね』
そう言ってくれた。
師匠は、自分に歩き方を教えてくれた。
は、歩けない夜の痛みを受け止めてくれた。
だから、いつか彼女の傍に立てるようになりたいと思った。
守られるだけではなく、今度は自分が手を伸ばせるようになりたいと。
インドで別れた日。
先に教団へ向かうへ、アレンは上着の袖についていた小さな銀のボタンを渡した。
『必ず、追いつきます』
そう約束した。
は泣きそうな顔で、それでも笑っていた。
『立ち止まらないで。私も、先で待ってるから』
その言葉だけを胸に、アレンは歩き続けた。
ようやく、彼女の隣に立てるくらいには強くなったと思っていた。
それなのに。
彼女が選んだのは、自分ではなかった。