【Dグレ】Twin Ray -灰の世界に響く歌- の短編集
第3章 夢主親衛隊、緊急決起集会
壁際で腕を組んでいた中堅ファインダーが、目元を覆う。
「俺達は、ずっと遠くから見守ってきた」
「ああ……任務から戻られた時に、銀髪が廊下の光を受けて揺れるだけで、その日の疲れが消えた」
「食堂で静かに紅茶を飲んでいる姿を見かけただけで、明日も生きて帰ろうと思えた」
「初めて『お疲れ様』って微笑まれた日は、危うく遺書を破り捨てた」
「分かる。死ねないと思った」
皆が深く頷く。
彼らの間では、いつからかは特別な存在になっていた。
一見、近寄り難く冷たそうに見えるのに、任務帰りの怪我人にはさりげなく声を掛ける。
疲れ切って座り込んでいるファインダーへ、何も言わず温かい飲み物を差し出してくれる。
戦場では、凛として美しく、誰より危険な場所へ踏み込む。
その上、歌まで神々しい。
敬意。
憧れ。
淡い恋心。
それらが複雑に混ざり合い、いつの間にか彼らは自称・親衛隊となっていた。
もちろん、本人には絶対に秘密である。