【Dグレ】Twin Ray -灰の世界に響く歌- の短編集
第2章 【番外編】恋人の手料理は、森の味
その夜。
医務室には、ベッドへ突っ伏したラビの姿があった。
「ラビ、大丈夫!?」
ジョニーが慌てて水差しを運んでくる。
ラビは青白い顔で腹を押さえたまま、うめくように声を漏らした。
「……アレン」
「はい」
「オレ、胃の中に庭園ができてる気がする……」
「香草ですね」
真顔だった。
少し離れた場所で、神田が盛大に舌打ちする。
「……馬鹿が。無理して食うからだ」
「うるせぇ……」
ラビが死にそうな声で返す。
だが、その時だった。
「ラビ!」
勢いよく医務室の扉が開く。
だった。
ラビの顔が引き攣る。
は真っ直ぐ駆け寄ると、心配そうに顔を覗き込んだ。
「大丈夫? やっぱり疲れてたんじゃ……」
「だ、大丈夫さ……」
ラビは死にかけの笑顔を浮かべる。
「の料理、美味かったし……」
神田がとうとう顔を覆った。
「お前、そこまでして嘘貫くのか……」
神田の呆れ切った声が、静かな医務室へ落ちる。
ラビは腹を押さえたまま、ぐったりと天井を見上げていた。
けれど。
が心配そうに覗き込んでくる度、その顔だけは無理矢理笑おうとする。
「……本当に大丈夫?」
「だ、大丈夫さ……」
「顔色、すごく悪いけど」
「気のせい気のせい……」
掠れた声。
その様子を見ていたアレンが、静かに目を逸らした。
「……ラビ、そこまで頑張るんですね」
ジョニーは完全に引いている。
「いやもう、それ愛が重過ぎない?」
「うるせぇ……」
ラビが死にそうな声で返す。