第14章 14
「本当に…、本当にありがとうございました。」
「いえいえ。無事でよかったです。お母さんと会えてよかったね、りんちゃん。」
「うん!お姉ちゃんありがとうね!」
「お姉さん、さっきからずっとみんなに声かけてくれてたでしょ?私、見てたんです。」
「あっ…。」
「みんながパニックの中、お姉さんだけが大きな声を出して誘導してくれていました。お姉さんの声が聞こえたから、みんなが落ち着いて避難できたんだと思います。」
「……いえ。あの時は必死で…。」
「本当にありがとう。」
「い、いえ…。」
私の様子を見たお母さんは優しく微笑むと、りんちゃんを抱っこした。
「ありがとうございました。では。」
「お姉ちゃん、ばいばい!」
「うん、ばいばい。」
そういうとりんちゃんとお母さんは帰っていった。
無事に会えてよかった。
…誘導を見てくれている人がいたんだ。
自分ができることをするのに必死だった。
むしろ、私がやらないとって思った。
それに対して‘‘ありがとう。‘‘って言われた。
そのたった一言が、胸の奥に静かに染み込んでいく。
解体はまだできない。
それでも、誰かの役に立てたことが嬉しかった。