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壊れた心を、もう一度。【名探偵コナン】

第12章 12



もしあの時ポアロの扉を開かなかったら、まだ過去に囚われたまま「爆弾」と言う言葉に怯えて、後悔の毎日を過ごしてたと思う。

あの日、あの言葉をもらえたおかげで、いまこうして佐藤さんとじんぺーくんの話が出来ている。

………ありがとう、安室さん。

私は気づかれないようにそっと微笑んでから、佐藤さんに視線を戻した。

「松田くんが見たらきっと、「何引きずってんだ。」って言われちゃうわね。」

「ふふ…。ですね。」

………本当にじんぺーくんが言いそうな言葉だ。

わたしは思わず笑ってしまった。

「よかったわ…。あなたが笑えるようになっていて。」

「え?」

佐藤さんがコーヒーカップに手を添えて視線を下げた。

「松田くんから話はたくさん聞いてたけど、実際あなたのことを見たのは松田くんのお葬式だったから…。」

「あっ…。」

「あの時のあなたはすごい泣いていたもの。だから…、よかった。」

佐藤さんは視線をあげてニコリと笑ってくれた。

「…ありがとうございます…。」

「最初ここへ来た時は、全然気付かなかったの。あの時はもっと髪が短くて、今より明るい髪色だったでしょう? それに泣き腫らした顔をしていたし、松田くんから聞いていたあなたとの印象な違っていたから。」

「…そうでしょうか…?」

「ええ。こんなに柔らかな笑顔ができる人だなんて、想像もできなかった。」

「……あの頃は、本当にどん底でしたから。でも……いろいろな人に支えてもらって、前を向けるようになったんです。」

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