第11章 11
ポアロでクリスマスを過ごしてから6日経った。
今日は大晦日だ。
明日は朝から3日間バイトは控えているため、自宅でゆっくりとしていた。
私は犬のひざ掛けを抱きながらぼーっと年末の特番を見ていた。
………ポアロに行きたいなー…。
手元には年越しのお蕎麦。
しかしインスタントのお蕎麦で色気はない。
でも美味しいのだ。
そう思いながら上に乗っている天ぷらを一口かじった。
じゅわっと染みていた出汁が口の中に広がった。
………もう1週間くらい会えてないな…。
私はおもむろにスマホを取り出して操作した。
〈安室透〉
名前の下には続けてメールアドレスが並んでいる。
これは安室さんから尾行のお仕事をもらった時に交換したものだ。
「あけましておめでとうって送ってもいいのかな…。」
私は1人の部屋でポツリと自問した。
………いや…、お仕事で交換したんだもん。流石にダメだよね…。
じっとスマホを眺めたあと、ふぅー…とため息をついてからスマホの画面を暗くした。
テレビからは最近人気の歌手が歌を披露している。
………あっ、この曲…、安室さんの車の中のラジオでかかってた…。
4日にはポアロに絶対に行こう。と決めて、蕎麦を啜る。
明日は仕事。今日夜更かしせずに早く寝ないと。